「やあ、姫親方。相変わらず忙しそうだね」
ここは倫敦郊外、シュトラウス工房。一仕事を終えほっと一息ついたミーナのところに、ジュリオが軽い足取りで訪ねてきた。
「あ、ジュリオ君こんにちは。今日は若い娘達出払ってますよ?」
「やだな、僕はミーナさん一筋だよ」
「相変わらずですね。それで?」
穏やかな微笑と、白い空気。状況不利と見て、ジュリオは躊躇無く撤退することにした。
「麗下とシローの出発を確認してきた。最初は驚いてたみたいだけど、結局仲良く出かけてったよ」
「セイバーさん疑ってませんでした?」
「いや、流れが流れだからね。普通のお仕事だと思ってるみたいだったな」
「お仕事はお仕事なんですけどね」
ミーナは肩を竦めて微笑んだ。仕事そのものは本物だ。だが、今回の仕事はそれ以上にボーナスの意味が大きい。ここの所ずっと士郎を拘束していたお詫びも兼ね、凛には内緒で二人のデートを企画したのだ。
「でもさ、姫親方。問題はシローのほうだと思うよ」
「それですよね、まるっきり執事になっちゃ意味無いですし……」
揃って苦笑しながら溜息をつく。これだけお膳立てをしても、士郎はきっと分かっていないだろう。
「司令、宜しいですか?」
と、ここで工房の主任が難しい顔で入って来た。一瞬ジュリオを見て困惑した表情をしたが、ミーナが一つ頷くとそっと耳元で何事か囁いた。
「……見つかった?」
「はい、その……鍵束だと思っていた物品がそうだったようで……」
「じゃ、バースの品物は?」
「……」
一瞬ミーナの表情から笑みが消える。厳しい表情でしばし何事か考え込むと、そのまま主任に指示を出す。
「何か問題が起こったのかな?」
そんなミーナにジュリオはいつもの声音で話しかけた。尤も、笑みを浮かべているのは表面だけ、その瞳の険しさは魔術師のものだ。
「ええ、ちょっと。ジュリオ君も手伝ってくれますよね?」
「ま、乗りかかった船だ。麗下にも良いとこ見せておきたいしね」
軽い口調でのミーナのお誘い、その裏にかなりの危険が隠されている事くらいは十分承知している。
だが、若い美人のお誘いには変わりは無い、男と生まれた以上どうして断れようか。勿論、ジュリオにも否は無かった。
おうさまのけん | |
「剣の王」 | −King Aruthoria− 第六話 後編 |
Saber |
「早くしなさい、ウェイ。ぐずぐずしていると置いていきますよ」
「はい、お嬢様。ただいま参ります」
「それと、お嬢様は止めなさい。アーシュラと呼ぶのです」
「畏まりました。アーシュラ様」
腰に手を当てて、ぷんと頬を膨らますセイバー。どこから見てもわがままな貴族の御姫様だ。いやはや、まさかセイバーがここまで乗ってくるとは思ってもみなかった。
何せ、朝食以来ずっとこの調子だ。ころころと可愛らしい笑顔で同乗の老婦人方のアイドルになったかと思えば、スチュワード一同を引っ掻き回す。はては俺を引きつれトレイン探検と、子供みたいなはしゃぎぶりだ……いや外見相応といえばそう言えなくもないんだが。普段のセイバーからはとても想像できない姿だった。
とはいえ、俺も楽しんでいなかったといえば嘘になる。なんだかセイバーじゃなく、普通の女の子と一緒に居るような気分だった。
「ウェイ。すぐホテルに入らなければいけないのですか?」
踊るような足取りで駅を出たセイバーが、くるりとこちらを向き、何か強請るような顔つきで聞いてきた。
「まだ時間に余裕はございます。競売は今晩ですし、夕刻までに入れば宜しいかと」
少しばかり荷物が重くはあったが、どの道、隠匿の予算にはリムジンのレンタルも入っている。それに何より、こんな顔をしたセイバーの頼みを断れるわけが無い。いや、もう、始めて見たぞ、お強請り顔のセイバーなんて。
「ではバスに参りましょう。良いですね?」
「は? ここがバースでは無いのですか?」
「ウェイ……確かにこの街はバースですが、バースといえば温泉。温泉といえばローマ浴場
「あ、はい。畏まりました」
成程、さっきから妙にうきうきしていたと思ったらそれか。セイバーはお風呂が好きだからな。俺たちは駅前で車を借り、バース観光へと出発した。
「……」
「あ、お嬢様?」
「……アーシュラと呼ぶように言っておいたはずです」
御目当てのローマ浴場に着いたは良いが、セイバーさんは不機嫌になってしまわれた。どうやらセイバーはここで入浴が出来ると思い込んでいたらしい。
どうも、この芝居をしている時のセイバーは、何時もの倍以上感情表現に素直になっているようだ。尤も、今のセイバーの表情は残念というより無念といった感じだ。芝居じゃなく本当に楽しみにしてたみたいだな。
「お風呂でしたら他の浴場もございます」
「わたくし、このお風呂に入りたかったのです」
俺のフォローにもむぅ――っと膨れて恨みがましい目を向けてくる。これがまた可愛らしいもんだから始末に負えない。いや、セイバーには悪いが良い物を見せてもらった。
「それではアーシュラ様。カフェでお茶に致しましょう。ここにはサリー・ランという名物もありますし」
俺はこれはプール? というほどの大きさの浴槽を見下ろしながら、セイバーを誘った。ここは一つおやつにでもして気分転換を……
「ウェイ……わたくしが、いつもいつも食べ物で釣られると思ったら大間違いです」
と思ったのだが、セイバーさん、益々ご機嫌が悪くなった。機嫌を取るのに食べ物ばかりとは一体どう言うわけですか、とばかりに睨みつけてくる。
「ではおやつは午後にしましょう」
「……誰が行かないと言いましたか?」
でもやっぱり食べるようだ。少しばかり頬を染めてぷいと顔をそむけ、すたすたと歩いていく。俺は苦笑しながらセイバーの後を追った。
何か本当にいつもと違う。そういえば、こうやってセイバーに引き連れられるってのは初めてだ。いつものセイバーはどこか一歩引いていて、遠坂や俺の後からついてくるところがある。無論、遠慮してとかそういった意味ではない。サーヴァントとして主に従う、そういった立場的な事だ。
「ああ、そうか。今は俺が召使
ふと納得した。今のセイバーは役割とはいえマスター。今はお芝居だが、こうやって人を引っ張っていくのが本当のセイバーなのかもしれない。そういえばランスがセイバーはかなり意地っ張りなドンパチだって言ってたな、なんとなく分かる気がする。
「今なにか、失礼な事を考えられた気がしました」
勘も鋭いし。
「いえ、ああ、お嬢様。店が見えてまいりました」
すぐそうやって誤魔化そうとする、と軽く拗ねた顔をしたセイバーだったが、やはりお菓子は楽しみであるようだ。一転嬉々とした表情で店に目をやった。
「……」
と、セイバーの足が止まった。どうしたんだ?
「ウェイ、疲れました。やはりホテルに行きましょう」
「はい?」
「車に」
そのまますたすたと先導して駐車場に向かう。俺はわけが分からないままセイバーの後を付いていった。
「済まないシロウ。本来の役割を忘れていました」
「いや、別に良いんだが。それより急にどうしたんだ?」
車に乗った途端、セイバーはすっぱり芝居を落し、俺に向かって謝ってきた。そう言われてもまったく心当たりがないんだが……
「シロウ……もしかして気付いていないのですか?」
「あ、いや……うん」
「それでは護衛として申し上げます。先ほどの市街地に、荒事の玄人と思われる人影が散在していました。多分、私達と同じ競売関係の護衛だと思いますが、断定は出来ません」
小さく溜息混じりに言うと、セイバーはしっかりしてくださいとばかりに、俺を上目遣いで見据える。おお、セイバーに見とれてて全然気付かなかったぞ。
「ただ、私の方にも非が無かったとは言えません。いい気になって調子に乗りすぎていたようです」
が、セイバーはふっと視線を下げて済まなそうに呟く。
「いや、そんな事は無い。思いっきり女の子なセイバーってのも可愛らしくて良かったぞ。凄く新鮮で」
うん、セイバーはずっと硬い生活してきてたんだし。ここに居る時くらいは羽目を外したって誰も文句は言わないし、言わせない。
「――っ」
「どうしたんだ?」
途端、セイバーが真っ赤になって目を見開いてしまった。俺なんかおかしな事いったっけ?
「いえ、その……ちょっと、凛やルヴィアゼリッタの真似事をしてみただけなのですが……」
「ああ、そうか。そういやそんな感じだった。二人をセイバーくらいの歳にして、足して二で割ったらあんな感じだったかもしれないな」
成程、あの可愛い我侭は二人の真似か。そう思うと尚更セイバーが可愛らしく思える。もしかしてちょっと羨ましかったのだろうか。
「シロウ……何かおかしな事を考えていませんか?」
微笑ましさが顔に出たのだろうか、そんな俺をセイバーは何とも言いようの無い顔で睨みつけてきた。そんな事は無いぞ、凄く可愛らしいと考えてただけで、可笑しいなんて少しも考えてなかったぞ。
「ともかく、これ以上街中に出るのは余り得策とは思えません」
そんな俺を暫く睨みつけていたセイバーだが、ふうと小さく溜息をつくと後部座席に背を預けた。
「分かった。それじゃあ夜の競売までホテルで大人しくしてよう」
確かに、街がそんな状況なら観光をしているわけにもいかないだろう。俺は、ほんの少し残念そうなセイバーをバックミラーに捕えつつ、車をホテルに向けた。
「競売もこのホテルなのですか?」
「いや、競売はこの建物の中のプライベートハウスでって事だ」
ロイヤル・クレッセント・ホテルのスィート。そこが俺たちが泊まる宿だ。
十八世紀に建てられた全長百八十メートルからなる半円をした巨大な神殿のような集合住宅。その十六番地がこのホテルだ。一番地は博物館、それ以外にも無数の個人住宅からなっていて、競売もこの一角で行われる。
「しかし、立派な部屋ですね」
「隠匿の為とは言っても、張り込んだなぁ……」
三部屋続きのスイート、流石に気を飲まれる。セイバーも王様とは言え、あの時代にこういった豪華さは無かったはずだからな。
「競売はディナーの時でしたね?」
「おう、レストランで食後に奥のドローイングルームに通されて、そこで現物の確認をした後に競売って段取りになってる」
昼食をルームサービスに頼み、俺たちはリビングで競売の確認をする。
折角なんだし、どこか美味い店でも見つけたいところだが、先ほどの事もある、余りうろちょろするのは避けたほうがいいだろう。
尤も、ルームサービスとはいえ一流のホテルの一流の厨房が作った昼食。質量共にセイバーさんもご満足の様子だ。
仕事とはいえ、こんな良い思いばかりして良いんだろうか? ミーナさん元取れるのかな?
「そのことは余り考えていないような気がします……」
そんな事を漏らしたら、セイバーが微妙な表情でこめかみに指を当てた。
「なんでさ?」
「何でと申しますか……いえ、多分私の考えすぎでしょう。シロウは気にしなくても良い事かと」
折角ですから楽しませてもらいます、と小さく呟いて、セイバーはにっこり微笑んだ。
ちょっとどきっとした。最近セイバーは本当に素直な感情を表すようになってきた。欲張りだとは思うが、俺はセイバーにはずっとこんな顔をしていて貰いたいな。
「アーシュラ・サヴェジ様でございますね?」
「そうですが、なにか?」
「オーナーが奥へご招待したいとの事なのですが?」
「まあ、嬉しい。ウェイ、宜しくて?」
「はい、お嬢様」
ロイヤル・クレッセントの一角、小さいが上品なレストランでのディナーが終り、あとはデザートをといったところで、支配人がそっと俺たちのテーブルに近づいてきた。
蒼いカクテルドレスに身を包み、如才なく微笑みを振りまきながら進むセイバーに続いて、俺も奥へと向かう。それにしてもセイバー、本当にこういった芝居も上手いんだな。ちょっと驚いた。
「うわぁ……思いっきり怪しいな……」
「ウェイ、人のことは言えませんよ」
謎の中国人、謎のアラビア人に謎の無国籍人。ドローイングルームの先客はかなり怪しい人たちだった。
「どうしたんだ? セ……あ、お嬢様」
そんな会場を些か訝しげに見渡していたセイバーに俺は声をかけた。いや、名前言い間違えかけたのは悪かったって、一応セーフだろ?
「……昼間見かけた連中が見当たらないものですから。ここに居る人達よりはるかに剣呑でしたし……」
名前は構いませんからもう少し小さな声で、とセイバーに少しばかり睨まれた。
とはいえセイバーの言っていることは気になる。まだバイヤーが来るかもしれないが注意だけはしておこう。
「それではプレヴューを行います。まず一番の品から……」
結局セイバーが言っていた連中が来ることは無く、オークションが始まった。
まずはプレヴュー。実際に品物を並べ、客が直接見て触れて確認する段取りだ。
「あれは?」
「マンドレイクは本物だ、けど装飾はただの飾りだな。俺たちには特に珍しい物じゃない」
「こちらのティアラは? 中央の宝石になにやら怪しい呪刻がありますが」
「十六世紀ってのは本当だと思うけど、呪刻は素人が写し取っただけだ。ラインの一本もまともに通ってない」
「なかなか難しいものなのですね」
次々と現れる怪しい品物について、俺は解析しながらセイバーに耳打ちする。
結局、並べられた品物のうち、本当に魔術的な品物は一つだけだった。
十六個のダイヤ型のヘッドを周囲にちりばめた金のネックレスとブレスレットのセット。
宝石の飾りはただの装飾だが、鎖部分が金の象嵌に見せかけて秘金
「武器ではなかったのですか?」
「いや、あれは武器なんだ。ネックレスの周りにダイヤ型の飾りが付いてるだろ? あれの根元にワイヤーが仕込まれてて周囲に発射するタイプだ」
多分、ブレスレットは制御機器だろう。いかにもアトラス好みの凝った武器だ。
「ではあれですね」
「おう、落しに掛かるぞ」
「そちらは、お任せください」
えらく自信ありげに、セイバーはにっこりと微笑んだ。
「十万ポンド!」
「十万二千ポンド。ミスター、あのネックレスは私に似合うと思いませんか?」
「十万三千ポンド。いや、お似合いだとは思いますが……」
「有難うございます、十万八千ポンド」
微笑みときらきらと可愛らしい瞳を駆使して、セイバーは次々と対手の手を引かせていく。最後は、そんなセイバーの愛想に一向に動じる事の無かった謎のエジプト人との一騎打ちになったのだが、ビットでの嵩上げのタイミングが絶妙で、結局十二万二千ポンドでネックレスを手に入れた。予定よりはちょっと高くなったがこの辺りは許容範囲だろう。
「御見事……」
「女性の笑顔がどれほどの武器になるかは、此方に現界してから十分理解しましたから」
妙に無表情な謎のエジプト人に、にっこりと本当に綺麗な笑顔を向けながら、俺に小声で応えるセイバー。遠坂……俺たちセイバーを汚してしまっているのかもしれないぞ。
「有難うございました。品物はお部屋まで?」
支配人が、専用ケースに収めたネックレスを銀のトレイに乗せ、笑顔で俺たちの許へやってきた。
俺はセイバーと顔を見合わせて頷く。間違いない、専用ケースの金具、よくよく確かめないと分からないだろうが、そこにはアトラス院の紋章が隠されていた。
「いえ、折角似合うと仰って頂けたのですから」
俺がミーナさんから預かった小切手をトレイに乗せるのと引き換えに、セイバーは可愛らしく微笑んでケースの蓋を開け、そのままネックレスとブレスレットを身につけた。
「それではウェイ帰りましょう」
本当にお似合いですとの支配人の愛想笑いを軽くいなし、セイバーはにっこりとバイヤー達に一礼しさっさと部屋を後にする。
俺もケースを受け取ると、苦笑いしてやれやれといった顔を作って後を追った。
「これでよかったのですか?」
「おう、しかし全然違和感無かったぞ。見事だったなぁ」
追いついた俺にセイバーがそっと耳打ちをしてくる。こいつも打ち合わせ通りだ。なにせセイバーは英霊、身につけて運ぶのが一番安全な運搬方法だ。
「シロウに言われた通りにしたまでです。前にも言ったように、お嬢様振りはルヴィアゼリッタを真似ているだけですし」
得意なわけでも好きなわけでもありません、と些か憮然とセイバーは応える。そうかなぁ、結構乗ってなかったか?
「――ああ」
任務完了でほっと息をつき、そんな他愛無い会話をしながらレストランを出、月空の下クレッセント前の公園を横切ろうとしたところでセイバーが急に立ち止まった。
「どうしたんだ?」
「……デザートを食べ損なってしまいました」
そういやデザート前に奥へ連れてかれてそのままだったな。
「別に良いじゃないか。食べ足りないならホテルの喫茶室にでも寄ろうか?」
「シロウ、そういう問題ではありません」
あの店のスウィート、七種類から散々悩んで選んだ逸品だったのですよ、とセイバーさんは膨れられる。
さっきからころころと変わるセイバーになんだか笑ってしまった。今はアーシュラで無くセイバーなのに、この瞬間のセイバーはあの我侭で可愛らしいお嬢様そのものだ。結局、あのアーシュラという仮面もまたセイバーなのかもしれない。
「なにがおかしいのです?」
「いや、なんでもないぞ」
じっとりと半眼で睨みつけてくるセイバーに、俺は手を振って応える。そういえば昼間のサリー・ランも食いそびれたな。今回はお菓子に縁の無い旅なのかもしれない。
「明日帰る前に、サリー・ランに寄っていこう。遠坂への土産も買わなきゃいけないし」
「御土産は良いのですが、そうなると凛にばれてしまいますね……」
と、何故かセイバーの顔が曇った。
「ばれるって、なにがさ?」
「その……私とシロウが二人で出かけたことがです」
「仕事だし、問題ないだろ?」
何でミーナさんやジュリオが、一緒だという事を黙っていたかは知らないが、俺とセイバーが仕事で出かけたことは遠坂も知っている。だったら問題なんかないはずだ。
「シロウは……そうなのでしょうね」
なのに何故かセイバーさんは、呆れたように大きく溜息を付かれる。はて?
「シロウはそれで良いのです」
俺が不思議そうにしていると、セイバーは優しい微笑みを浮かべくるりと振り向いた。
「シロウの言う通りです。明日は凛やルヴィアゼリッタにも御土産を買って帰りましょう」
「……そうだな」
なんだか良く分からないが、俺は頷いてしまった。
月の光を浴び、軽やかに身を翻すセイバーは本当に綺麗だった。金糸の髪も、翠の瞳も、それを彩る蒼いドレスも金色の首飾りも、全てが一枚の絵のようだった。
だから、それが途切れてしまったことが凄く残念だった。
「シロウ……」
「ああ、結界だな……」
遠坂やルヴィア嬢に比べると些か品下がるが、それでも遮音と遮光、それに封印の結界のようだ。とはいえ、入ってから気がついたのでは既に手遅れだ。
「私から離れないように」
「分かった。ただいきなりは拙いぞ。相手の出方を……」
―― 轟!――
いきなり来やがった。一歩前に爆煙が立ち上る。
「次、来ます!」
「分かってる!」
こいつはフェイント本命は次だ。来た!
地を這う光線が、四方からうねりながら……ちょっとまて、何で光が何も無いところで曲がるんだ!?
「――ちっ!」
が、即座にセイバーが飛び出す。例え曲がりくねった光であろうとも、セイバーの宝具は尽くへし曲げ、弾き飛ばす。
「すまん、助かった」
「いえ、それよりも話し合う気は無いようですね」
「そうみたいだな」
とはいえ、ここで喧嘩を買っても始まらない。ここは、
「セイバー結界をぶち破れないか?」
三十六計逃げるのが一番だ。
「破るだけなら造作もありません、ですがシロウ……」
「うっ……」
しまった。この公園はロイヤル・クレッセントに丸々半円囲まれている。このままセイバーの力で結界を破ればその余波が建物にまで向かってしまう。何せホテルや個人住宅の集合体、下手な被害を出すわけにはいかない。被害が出ないようにするには……
「反対側まで駆けるしかないか」
「確かに。向こう側はずっと公園が続いていたはずです」
だが、これで一つはっきりした。向こうの連中も魔術師ではあるが、荒事を表にまで広げる気は無いって事だ。
「走ります」
「おう」
地を這う光線を避け、執拗に追いかけてくる怪しい影を叩き落し、俺たちは公園の反対側に向かって突っ走った。
だが、木立を抜け、そのまま公園の中央を駆け抜けようとしたところで、俺は妙なことに気が付いた。
「セイバー」
「はい?」
「なんか、そこいら中で戦ってないか?」
「そのようです、どうやら私達以外にも二組ほど勢力があるように見受けられます」
いつの間にか爆煙や轟音は俺たちの回りだけで無く、公園中に広がっていた。そこかしこで金属のぶつかり合うような音響いている。何か、獣の雄たけびのような声も聞こえてるし……
「シロウ伏せて!」
いきなりセイバーに木陰に引きずり込まれた。
―― 烈 ――
上空を何か巨大な影が通り過ぎた。それを地上から幾つもの光弾が追尾するように追いすがる。
「……翼竜?」
「いえ、竜ではありません。何かのキメラのようでしたが……」
おいおい、魔獣まで繰り出してるのかこの騒動は?
「シロウ!」
いきなり俺たちの潜んだ木立に,誰かが突っ込んできた。
「ちっ!――――投影開始
間に合った、突き出された短槍の穂先を俺は干将で受け止める。
「――っ!」
俺はそのまま両刀で槍の内懐に潜り込む、これで間合いを……
―― 奪!――
が、打ち込んだ俺の両刀は、台尻と銃身で防がれた、え?
「どわっ!」
危うかった、そのまま飛び込んできた肘と膝を、俺は干将・莫耶を逆手に回し剣の平で受け止める。
「ジュリオ! シロウです!」
「って麗下?」
「ちょっと待て、なんでお前が居るんだ?」
迷彩服に身を包み銃剣を構えたジュリオ。そいつが俺に飛び掛ってきた人影だった。
「おいおい、シロー。お迎えに来たんだぜ」
「お前のお迎えは銃剣で突き刺すことなのか?」
「ちょっとした行き違いじゃないか。ともかく無事でよかった。爆発を見たときは、間に合わなかったかと思ったよ」
もう少しで無事じゃなくなるところだったぞ。本当に危うく間に合わなくなるところだった。
「……ジュリオ、説明してくれるのでしょうね?」
「それがね麗下、今回の競売の件でちょっと手違いがあったらしいんだ」
仁王立ちで睨みつけるセイバーに、まあまあ抑えてと軽く手を振るジュリオ。こんな状況でも相変わらずなんだな。
なんでも、ミーナさんが競売物件だと思っていたものは、実はきちんとシュトラウスに着いたのだという。つまり俺たちが今回、買い取った品物はアトラスの正規の供出品ではなかったという事だ。
「ちょっと待て、じゃ、これはなんなんだ? アトラスの紋章が付いてたぞ」
「だからだろうね、アトラスの回収部隊がやってきちゃったってわけだよ」
てことは何か? 俺はアトラスの秘匿技術に手を出して、それでここで消されかけてるってわけか? 思わず頭を抱える。冗談じゃないぞ。
「だから姫親方が救援部隊を出したんだ。今、戦ってるのがそれさ」
なるほど、そういうわけか。有難い話なんだが……
「……もしかしてミーナさん、いきなりアトラスの連中と殴りあい始めたわけか?」
ビンゴだったらしい。爆発と同時に、待ってましたとばかりに全軍突入させたと言う。ジュリオは、そこで俺たちの探索と救出の為に分かれたのだそうだ。
「……セイバー」
「分かりました。シロウ」
疲れたような俺の呟きに、セイバーも苦笑しながら頷いてくれた。
「ジュリオ、ヴィルヘルミナのところへ案内してくれますか?」
「それはいいけど、どうして? 逃げた方がいいんじゃないか?」
「そうもいかない。原因ははっきりしてるんだ」
俺は、訝しげに視線を向けるジュリオからセイバーに視線を移し、頷きあった。
「この馬鹿げた戦いを止めるぞ」
「……間に合ったのかな?」
戦いの現場を巧妙に避け、俺たちはジュリオの案内で、ミーナさんが本営を据える公園の外れ、ロイヤルアベニューにたどり着いた。
戦闘が無かったわけじゃないようだが、それも今は落ち着いたようだ。俺達の視線の先では、爆炎を背景に黒と銀が、紫と白とじっと見詰めあいながら対峙していた。
「あの紫と白が、アトラスの大将のようですね」
「良かった、じゃ話し合いになるのかな?」
既にひと騒動起こってしまってはいるが、ここで大将同士の話し合いがつけばこの戦闘も抑えられる。
今はまだじっと見詰め合っているだけだが…………待てよ、本当にそれだけか?
「シロウ。残念ながら、既に戦いは始まっているようです」
セイバーの呟きどおり、戦いは既に始まってしまっていた。睨みあっている様に見えて、黒と銀の周りでは何か陽炎のようなものが揺れ、揺れる都度に、白銀の輝きが瞬き、何かが弾き飛ばされたように舞っている。
「……髪と血……成程、神経組織を擬した生体部品でエーテライトを吸着し阻止
と、紫の影から冷たいほど静かな声が響いた。あれ? どっかで聞いた事あるな、この声……
「有名すぎるのも考え物ですね。仕様さえ分かっていれば、手間隙さえ惜しまなければ対抗手段は講じれるものですよ」
黒い影がこれまた冷ややか応える。柔らかい癖にとても硬い声音だ。この声は良く知っている。ミーナさんだ。
「つまり、最初から私と戦うつもりだったと?」
「いきなり、エーテライトを飛ばしてくる方に遠慮は出来ませんから」
「それはこちらも同じです。いきなり横合いから殴りかかってくる相手に遠慮はしません」
「最初に当方の使者に手を出したのは其方でしたね?」
「最初にこちらの秘匿資源に手を出したのは其方でしたから」
その言葉を最後に、いきなり紫の人影の疾走が始まった。もはや人外の速度だ。紫の人影は、それこそ残像で分身が残る程の速度で動き回り、立ち止まっては瞬時に銃を撃っては、何かを放っている。
が、ミーナさんの方も負けているわけではない。周囲の芝生に浮かぶ輝き。どうやら魔具や簡易陣を撒き散らしているようだ。巧妙に射線を避ける動きと、随時に立ち上げる魔具や魔法陣で、相手が容易に踏み込めないようにしながら、要所要所で銃撃を繰り返している。
「セイバー……」
「今、踏み込んでも止められません。もう少し近づいて……双方共に私の間合いに納めなければ……」
どうやらかなり物騒な喧嘩の治め方を考えているらしい。かと言って俺にも他の方法は思いつかない。ちょっと荒っぽいけど、ミーナさん許してくれ。
何時しか周囲にシュトラウスとアトラスの連中も集まりだしてきた。装具が揃って数の多いほうがシュトラウス。数は少ないがおのおのの装具が、圧倒的におどろおどろしい方がアトラスだろう。互いに大将同士の拮抗した状況に手が出せないで居るらしい。それでも二手に対峙し、なにか動きがあれば即座に打って出られるように構えている。一触即発、嵐の前の静けさって奴だ。
あ、拙い。凄まじい速度の連撃に、ミーナさんの陣に綻びが生じだした。こうなると早い紫の方が有利、ミーナさんに向かって開けた一直線の道を一気に突き進む……あ、一直線。
すかさず道の両脇に火炎陣を立ち上げるミーナさん、これで相手は逃げられない一直線に銃弾が……
―― 弾!――
飛ばなかった。それこそ英霊もかくやという速度で一気に駆け抜けた紫は、銃撃の寸前、ミーナさんの手首を軽く弾き、射線を数センチだけずらしたのだ。この距離ならばこれで十分。銃弾は紫の耳元を掠め後方へ消え、今度は紫の銃がミーナさんへ……
「――っ!」
が、紫の銃弾も避けられた。下から膝で軽く肘を押し上げられたのだ。即座にミーナさんの銃が……
後はこれの繰り返しだ。目にも留まらぬ速さで、互いに構える拳銃は発射寸前に、手首を、肘を、銃身を軽く弾かれギリギリで銃口を外されている。
「すごいねぇ、拳銃でちゃんばらしてるよ……」
ジュリオが感心した様な呆れたような呟きをもらす。いや、もう、まるでダンスを見ているようだ。思わず見惚れてしまう。
「シロウ……次に離れたときに飛び込みます」
「分かった、俺が隙を作る」
俺達がこそこそと息を潜めている間も、拳銃ちゃんばらは続いていた。が、互いに埒が明かないと悟ったのだろう、同時に飛びのき構えなおした。
「確率戦闘ですね。たかが数式を追いかけるだけで、よくぞ匠の技についてこれましたね」
「銃撃格闘術ですか。型で理論に追いつくとは、さすがは出鱈目に長じたシュトラウスです」
そうだ思い出した。紫の人、確かアトラス院の……そうそうシオンさんとか言ったな。しかし、二人とも一歩も引く気は無いようだ。ミーナさんのあんな顔はじめて見た。
「二人とも、どうやら当初の目的を忘れてるようですね」
セイバーが呆れたように呟いた。そうだよな、ここで二人が剥きになって戦う理由なんて一つも無い。やっぱりこれは無駄な喧嘩だ。
ってことはだ、ここは一つ頭を冷やさすようなやり方が良いわけだな。
「行くぞ、セイバー。今、道を空ける」
――投影開始
俺は今また飛びかかろうとする二人の頭上に、投影を開始した。
―― 厳 ――
「――な!」
「――え?」
見事、二人の頭上に投影された機像
「セイバー!」
「はい!」
一気に二人の中間まで駆け寄るセイバー、そのままエクスカリバーの風王結界を弾き飛ばし、その黄金の輝きを月光のもと曝け出した。
「我が名はセイバー。剣の英霊! シュトラウス、アトラスの諸卿に告ぐ!」
そのまま頑と剣を構え高々と宣告する。
「いま諸卿の大将は我が刃のうちにあり。一歩でも動かれるなら両成敗として討ち果たします。依ってこの勝負」
セイバーは朗々と威風堂々王の威厳を以って睥睨した。
「私が預からせていただく」
シュトラウスは皆知っている。アトラスもこの圧倒的な威厳は分かるのだろう。誰も一歩も動けない。漸く鎧を弾き飛ばしたミーナさんもシオンさんも、流石に気を飲まれたのか肩から力が抜けていく。
威風堂々たるブリテンの王。これもまたセイバー、俺は素直にそう思った。あの可愛らしいお嬢様も、威厳溢れる王さまもどちらも同じセイバー。それは不思議なようで、俺にとってはちっとも不思議じゃないことだった。
「今回、アトラスの品物についてはシュトラウスの管轄のはずです。それを何の連絡も無くいきなり実戦部隊とは……どう言う御つもりですか?」
「シュトラウスの管轄
「屁理屈ですね」
「理
セイバーの仲介で、何とか休戦交渉に持ち込んだものの。御二人とも妙に頑なだ。
「既にこちらが回収班を派遣し作業に入っていました。連絡の一本も入れて頂けていれば、このような事態には成らなかったのでは?」
「それを言うならば当方も同じです。シュトラウスに渡した品物で無い以上、気がついた時点でこちらに連絡いただければ、このような騒動にはならなかったのでは? 更に言えば、シュトラウスに該当物件が渡った場合、解析
「それは随分と過小な評価ですね、五割の被害を出してみせましょうか?」
「私の計算では最悪でも二十八.七%の被害で納まるはずです」
二人揃って席を蹴りかけやがる。どっちも冷静な顔でえらく血の気が多い。もしかしてどっちもかなりの意地っ張り?
「御二方」
と、ここでセイバーがこつんと剣の切っ先を地面に突き立てた。
「私なら双方に七割以上の被害を出せる自信があります。御二人の評価はいかがですか?」
にっこりとセイバーの笑顔に、一瞬顔を見合わせて素早く計算する戦闘指揮官二人。
「あ〜……ですね」
「正しい解です。私の予測では六十九%±五%の被害を覚悟せねばならないと出ました」
「それは重畳。お二方の面子については了解いたしました。出来得れば、御二方を仲裁している私の面子にも考慮して頂きたいと思います」
王様は、いい加減がたがた抜かしてると二人重ねてたたっ切るぞと仰っている。
大体分かってきた。つまりこれは、もう、物がどうこうよりもシュトラウスとアトラスの面子の張り合いになってるんだ。
「あ、ミーナさん良いかな? 結局、物をアトラスに渡す気はあるんだろ?」
一つ空気が変わったところで俺は切り出してみた。
「それはそうですけど……」
「シオンさんは、自分に渡される前におかしな手を加えられたくない。そういうことじゃないかな?」
「些か表現に差異を感じますが、概ねそのような理由であると」
「じゃ問題ないな。今この場で俺たちの手からシオンさんに手渡す。これで手打ちにしないか?」
だとすれば、とにかく喧嘩の名目を片付けるのが一番早い。俺はセイバーにネックレスとブレスレットを外すよう合図した。
「こいつが俺たちが買い取った品だ。確認してくれ」
俺はネックレスとブレスレットをケースと一緒に差し出した。
一瞬、躊躇したシオンさんだが。徐にケースの裏蓋を空けると中身を確認した。へ? ケースの裏蓋?
「成程、そういうわけだったんですね」
それを見ていたミーナさんが納得したように呟いた。そこに収納されていたのは銀色の繭?
「できればこの事を知られることも避けたかったのです。これをお見せするのが最大限の譲歩だと考えてください」
「了解しました。生のエーテライトを持ち出されたんじゃ、私共の手出しを避けるのは当然ですね」
「納得していただけて幸いです」
俺には何でこんな繭が重要なのかさっぱり分からないけど、高度先端技術系の御二人は納得しているようだ。喧嘩腰の態度もすっかり鳴りを潜められた。
「では、御二方。講和はなったと考えて宜しいのですね?」
じっと二人の中間で剣を手に仁王立ちしていたセイバーが。頷きながら二人に確認を取る。
「それではアトラスのアトラシア。今回の件はこれまでということで宜しいですね?」
「了解しました、シュトラウスのヴィルヘルミナ。事後処理については後ほど」
その言葉を確認するように、対峙していたシュトラウスとアトラスの面々が闇に溶け込むように消えていく。
まだ今回の被害とか事後処理とかの問題はあるが、その辺りは二人とも手馴れたものだろう。幸い死者も出ていないようだし、痛み分けという形で落ち着きそうだ。
「それでは私も去らせて頂きます。陛下、今回はご足労をかけました、返礼はいずれ」
最期にシオンさんがセイバーに一礼して去っていく。
「私共もこのまま帰りますけど、セイバーさんたちは如何します?」
こちらも撤収作業を終えたミーナさんが話しかけてきた。確かに、依頼されていた仕事は全部終ってしまったわけだし、このままミーナさん達と倫敦へ帰っても問題ないわけなんだが……
「折角ですので、一晩泊まって行こうと思います。明日はシロウが、美味しいお菓子をご馳走してくれると言っていますし」
そういやそんな約束もしてたな。よし、明日は一日セイバーに付き合ってやろう。
「あの……シロウ? やはりこちらで休みせんか。ベッドも空いていることですし」
私は寝室の扉越しにリビングのシロウに声をかけた。
「いや、こっちだってベッドはある、それにセイバーその格好だろ? 流石に俺もちょっと恥ずかしい」
「そうですか……」
些か残念な気持ちを胸に、私はシロウから借りたシャツの胸元をかき寄せ、溜息をついた。
大体が、私が寝巻きを忘れたのがいけない。シロウからこうしてシャツを寝巻き代わりに借りることが出来たのだが、おかげでシロウが恥ずかしがって、別々の部屋で眠ることになってしまったのだ。
「私は別に良いのですが」
姿見に自分を映し、私は少しばかり考え込んだ。確かに些か挑発的な格好かもしれない。シロウのシャツはかなり大きいが、それでも素足の殆どが曝け出されている。しかし素足なら昔の凛はもっと大胆に曝していた。ストッキングを履けばよいのだろうか? しかし寝巻きにストッキングというのも……
「わ、私は一体なにを考えているのですか!」
思わず、鏡の中で真っ赤になる自分に向かって叫んでしまった。まったく、今日の私は如何してしまったのだろう。肌を晒す事など、なんでもない事……のはずだったのに。
「お芝居が悪いのです」
そう、アーシュラ・サヴェジという仮面。セイバーでも、アーサー王でもアルトリアでもなく、エクター卿の養女として、もしかしたらありえたかもしれない少女の名前。あれが全て悪い。おかげで思い切り羽目を外してしまった、シロウに甘えてしまった。まるで、普通の少女のように振舞ってしまった。
でも……悪くは無かった……
「……寝ましょう」
私は頭を軽く振り、雑念を追い払うようにベッドに入った。シーツに包まり、肌触りのいいシロウのシャツに包まる。なんだかとても良い気持ちだ。
明日一日。
そう、明日一日だけ、もう一度だけアーシュラ・サヴェジになろう。仕方がないのだ、明日はシロウの方が誘ったのだから。
明日はきっととても楽しい一日になるだろう。私はそんな思いを胸に眠りにつくことにした。
END
セイバーさん、士郎と秘密の温泉旅行なお話でした。
Britain版、ローマの休日と洒落こんでみました。
とは言うものの、唯では済まないのがBritain。今回もちょこっとゲストキャラを交えての大騒動。
それでもお嬢様なセイバーも、王様なセイバーもセイバーはセイバー。
ミーナとジュリオが用意したボーナスもしっかりと受け取ってくれたようです。
さて、今回からFate/In Britain は第三クールに突入します。
何処まで続けられるか、皆様と一緒に頑張って生きたいと思います。
By dain
2004/10/6 初稿